コマ図ラリーのためのバイク選び

ページ概要

このページではラリーに参加する為の基本的なバイクの知識と選び方を紹介します。



ラリー参加に必要なバイクの要素


まずはじめに、アドベンチャー・ツーリングラリーや競技ラリーで求められるオフロード走行を行い、決められたルートをクリアする為に必要な要素を解説します。

オフロードに対応するタイヤ径

オフロードを走行するうえで特に重要なものの一つに”タイヤ”が挙げられます。
そもそも、オフロードに特化したタイヤはブロックタイヤと呼ばれタイヤ表面に背の高い凹凸がいくつも設けられており、この凹凸に砂利や泥の路面を食い込ませながら進んでゆきます。
ブロックタイヤの他にもアドベンチャータイヤと呼ばれる、オンロード(舗装路)の性能も残しながら比較的大きな溝があることによって悪路も走破することができるタイヤもあります。
しかし、アドベンチャータイヤと一括りにしてもオフロードへの性能の割り振りが少なく、あくまで砂利道程度しか想定していないタイヤもあるので、参加するイベントの使用する路面状況には注意が必要です。

そういったオフロードタイヤは主にオフロードバイクに対応したサイズ(多くの場合前輪21インチ、後輪18インチのフルサイズと呼ばれる組み合わせ)をメインに生産しており、オンロードバイクに採用されているタイヤ径の設定がない場合がほとんどです。
もし、オンロードバイクでアドベンチャー・ラリーに参加したい場合にはアドベンチャータイヤをチョイスする必要がありますが、先述したようにアドベンチャータイヤには9割以上舗装路に性能を割り振ったタイヤも存在し、参加した先の路面状況によっては泥でタイヤが空転してしまいその場から動けなくなる…といった事態が発生する恐れがあるため、慎重なタイヤチョイスが必要です。

最低地上高

比較的ハードなアドベンチャー・ラリーや競技ラリーでは、ルート内に倒木や大きな岩が転がる崖崩れ跡が組み込まれる場合があります。
そいった障害物を乗り越える際、最低地上高が低いオンロードバイクではアンダーカウルがぶつかってしまいカウルの破損や、その裏にあるリザーブタンクなどが割れて走行不能になってしまう恐れがあります。

そのため、オフロードバイクでは長いフォークとサスペンションで最低地上高と呼ばれる地面と車体底面の距離を大きく取る設計になっています。
もちろん、その分足つき性は悪くなってしまいますので、シートの加工やサスペンションのセッティング等で想定されるルートの難易度と足つき性のバランスを考える必要があります。

車両重量

路面状況の悪いオフロードでは立ちごけやスリップでの転倒は日常茶飯事です。
転倒した際には速やかにキルスイッチを使いエンジンを止め、その後車体を引き起こすのですが、その際にバイク自体の重量が重いと引き起しに体力と筋力が必要となってきます。
最悪の場合、ただでさえ足元の状況が悪い中で単独での引き起こしができずその場から動けなくなってしまします。

燃料タンク容量

ラリーイベントでは長い距離を走行するため、ガソリンの管理が重要となります。
多くの場合、コマ図にGS(ガソリンスタンド)が記載されていて、あらかじめGSの場所をチェクしメモを書き留めておくエントランスも多くいます。
しかし、農村部のガソリンスタンドでは祝日や日曜日は閉めているところもあり、思わぬガス欠のピンチに陥る場合もあるかもしれません。

競技ラリーでは〇〇km以上走行できるタンク容量が必要と定められている場合もあります。
アドベンチャー・ラリーやターマック・ラリーでも多くの場合長距離を走る際にはGSを通過するルートが設定されていますが、極端に容量少ないタンクや燃費が悪いバイクでは注意が必要です。
対策としてガソリン携行缶を携帯するエントラントもいます。

ライディングポジションを取りやすいシート・タンク形状

オフロード走行では、荒れた路面に対応するために”スタンディング“といったシートに腰掛けず、ステップの上に立って乗るポジションを取る場合があります。
その際にオンロードバイクによくある張り出したガソリンタンク形状だと、スタンディング時に太ももに当たってしまい綺麗なポジションを取ることができなくなってしまいます。
また、後ろに荷重をかけたい時にシートの後端に座ることができるよう、オフロードバイクのシートはフラットな形状となっています。
SSバイクなどによくあるタンデムシートが分かれている形状のシートだと、スムーズに座る位置を変えることができずとても走行しずらい状況になってしまいます。


サーバー維持のためアドセンスを導入しております。


ラリーに参加している車両と特徴


カブ・ビシネスバイクタイプ

ターマック・ラリーでは専門イベントが開催されるほど、よく見かけるカブとその派生タイプ。
軽量な車体と足つき性を生かした驚くほど高い走破性をもっており、ハード目のアドベンチャーラリーや、一部競技ラリーにも参加実績があるほど。
ただ、あくまでも悪路の高速走行を目的として設計されていないため、イベントごとに対応可能な行程か確認するのがベター。

アドベンチャーバイク

オンロード性能とオフロード性能の両立を目指したコンセプトのバイクジャンル。
250cc程度からリッターエンジンまで様々な排気量がラインナップされておりバラエティに富んでいる。
しかし、その反面オンロード性能に大幅に寄せているコンセプトの車種もあり、自分のバイクのオフロード性能が参加したいイベントに見合っているか確認する必要がある。
また、アドベンチャーバイクホイールサイズをオフロードバイクとオンロードバイクの中間程度に設定している場合が多く、ブロックの高いタイヤが多い前21インチ、後ろ18インチに適合しない場合もあるので要注意。

オフロードバイク

オフロードバイクは悪路を走破することを目的に設計されたバイクで基本的に高い最低地上高とサスペンションストローク、フラットな形状のシートにブロックタイヤが純正タイヤとして設定されています。
また、衝撃を吸収しやすいスポークタイプのホイールに、野外でもパンク修理が容易なチューブタイプのタイヤが多く採用されています。

ビックオフロード

ビックオフロードは元々パリダカールラリーを始め、長距離の荒れた路面を駆け抜けるラリーの発展と共に進化したジャンルです。
今ではアドベンチャーバイクとまとめて扱われることも多くなっています。
また、600~700ccを超えるエンデューロバイクもこのカテゴリで括る場合もあります。
大型のエンジンで長距離、高速走行が快適なメリットがある反面、その車重から荒れた路面では気をつかうライディングが求められます。

国内のラリーでは北海道の舞台で真価を発揮することが多く、ラリーレイド北海道やノースアイランドラリーでは参加者の多くがビックオフロードとなることもあります。

関連する記事

エンデューロバイク

エンデューロバイクとはエンデューロレースへの参戦を主眼に開発されたバイクで、国内ではKTMやハスクバーナ(共にKTMグループ)GASGASなどの外国メーカーからの輸入車が多く使用されています。
レース仕様の設計ではあるものの、エンデューロレースやクロスカントリーラリーの大会仕様上、公道走行が求められるため、保安部品が取り付けられナンバー取得が可能な車種が設定されています。
SS区間の設定されている競技ラリーでは多く使用されるマシンであり、性能もハイスペックですが、レースでの使用が前提のため新車購入でも保障期間がない、オイル交換の頻度が500〜1000kmほどに指定されるなど維持管理の面でハードルが高い側面もあります。
単にレーサーと呼ばれるとこもあります。

関連する記事

改造オンロードバイク

改造オンロードバイクはその名の通り本来オンロード用のバイクを改造し、オフロード走破性を持たせたものです。
例としてはタンクを削り、スタンディングポジションを取りやすくしたりサスペンションを交換しサスストロークを増量、ホイールサイズを変更しブロックタイヤに対応させたりと様々。
競技ラリーでも車種による指定はないため、参加者が責任をもってオフロードを走行できると判断したものと記載されることも多く、理論上は参加できることになります。
ただし、違法改造とならないよう細心の注意を払う必要があり、責任も伴う点には注意が必要です。

Was this helpful?

0 / 0

情報追加は下部フォームよりお願いします。
議論のツリーは【議論】と頭につけてください。 0

入力したメールアドレスはアイコン(コテハン)情報の取得のみ使用します。匿名の場合は『a@a.com』等でOKです。 ※は必須項目です *